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モンブランジャコウウシ

偶蹄目ウシ科ジャコウウシ属

ARTIODACTYLA Bovidae Ovibos lacteuscastanea

 カナダ北部やグリーンランドに棲息するジャコウウシの近縁種で、フランスのアルプス山脈のシャモニーモンブラン周辺にわずかに残る希少種。 ユーラシア大陸北部に分布し、およそ3000年前に絶滅したとされるジャコウウシの生き残りが進化を遂げたものと考えられる。

 背中にケーキのモンブランのマロンペーストを絞り出したような体毛を生やし、背中の頂には栗の渋皮煮または栗の甘露煮に酷似したこぶがあり、わき腹から尻にはタルトもしくはアルミのマドレーヌ皿に似た放射線状に並んだ凹凸を持つ。 尾は無い。 ジャコウウシの毛皮はキヴィアックと呼ばれ幻の毛皮とされているが、本種の背中の体毛はホッキョクグマのものに近く中空で外気の遮断に優れており、極寒での生活を快適にするためより珍重される。

 ジャコウウシはその名に表わされる通り眼下の腺から麝香に似るといわれる強い匂いの分泌液を出すが、この種では茹で栗とラム酒が混ざったような魅力的な香りがする。 乳にもこの香が強く出ており独特のチーズやヨーグルトなどの乳製品を作ることができる。

 英名は<ラムムスクオックス>。和名は外観が日本の「モンブランケーキ」に似ることと棲息地から<モンブランジャコウウシ>。種名<ラクテウスカスタネア>はラテン語で「クリーム状の栗」の意の合成語。

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